日本に昔からある切り干し大根は、簡単に作れる保存食で、生の大根に比べ栄養価が高くなります。
ただ干しただけでなぜ栄養価が高くなるのかと言うと、太陽の光を浴びることで大根本来の旨みが糖化され、栄養素が濃縮されるからです。
大根の白い部分は90%以上が水分です。それに大根を見たらそんなに栄養があるようには見えないですよね。それなのに栄養価が高くスーパーなので、スーパーフードに認定しちゃいました。(笑)
その大根を天日干しすると水分が無くなりカサが減るので、少量で生の大根より多くの栄養素を摂取できるのです。
加えて、紫外線や酵素によって縮合反応が起きるので、食物繊維や栄養素は更にアップします。
しかし、生の大根の糖質は100g中約3gですが、切干大根になると100g中47gに糖質も凝縮されるので、糖質制限をしている方は要注意です。
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切り干し大根の栄養について
切り干し大根にすると色々な栄養素が増えるのが、昔の人の知恵を感じる素晴らしいところです。
栄養 | 切り干し大根 | 生大根 |
カルシウム 骨や歯を丈夫にする、 動脈硬化や高血圧の予防 |
67㎎ | 12㎎ |
カリウム 高血圧の予防、老廃物の排泄を助ける |
400㎎ | 115㎎ |
食物繊維 コレステロールを体外に排出、 便秘や美肌にも効果的、ガンを予防する |
2.6g | 0.75g |
鉄分 貧血の予防、免疫力を高める |
1.2㎎ | 0.1㎎ |
この他、代謝を促進させるビタミンB1やB2も、切り干し大根にすると約10倍増えます。
このように嬉しい効果がたくさんありますね。
ちなみに切り干し大根の戻し汁にも栄養が含まれているので、捨てずに煮物に使って下さい。
切り干し大根の煮物のカロリーはどれぐらいあるの?
大根を細く切って、天日干しにした切り干し大根のカロリーは、100gで279kcalあります。
常備菜として、煮物、酢の物などにする事が多いですが、最近では調理済みのチルド食品も見かけます。
では、一般的な切り干し大根の煮物のカロリーは、どの位になるのでしょう。
おでんに使う大根の大きさは1個が約100gで18kcalです。
小鉢一つ分の切り干し大根の場合、乾燥状態で1人分10g、28Kcal程度になります。
それでは、切干大根を煮物にするとカロリーはどれくらいかというと、113kcalになります。
- 油揚げ、10g :39kcal
- 切干大根、10g:28kcal
- サラダ油、 3g:28kcal
- 人参、15g :6kcal
- 砂糖、1.5g :6kcal
- 醤油、6g :4kcal
- 出汁、50g :2kcal
合計:113kcal - 胡麻油、5g :46kcal
切り干し大根を炒めない場合は、サラダ油分マイナスになります。
風味を付けに胡麻油5gを使用すると、その分カロリーは高くなります。
その他具材によっても違ってくるので一概にカロリーを言えませんがおおよそはこれぐらいでしょう。
切り干し大根の煮物の簡単な作り方
一般的な切り干し大根の煮物を作ってみましょう。
作り方はいたって簡単。戻す時間は20~30分かかりますが、調理時間は15~20分で出来ます。
旨味が出た切り干し大根の戻し汁と、和風出汁を合わせて煮物を作りましょう。
<材料>
- 切り干し大根 :50g
- 油揚げ :1枚
- 人参 :1/2本
- 酒 :大さじ1
- 砂糖 :大さじ1
- みりん :大さじ2
- 醤油 :大さじ3
- 塩 :少々
- 切り干し大根の戻し汁+だし汁 :500cc
- サラダ油 :大さじ1
<作り方>
1、切り干し大根を戻します。
①切り干し大根を流水で洗い、ゴミや汚れを取り除きます。
②軽く絞った切り干し大根とかぶるぐらいの水をボールに入れ、20~30分つけます。
③戻した切り干し大根をよく絞って水を切ります。戻し汁は使うので捨てないで下さい。
2、油揚げは、熱湯をかけて油抜きし、薄切りにしておきます。
※熱湯をかけるだけで油揚げの余分な油が落とせ、味の含みもよくなります。
3、人参を細切りにします。
4、鍋に、サラダ油をひいて、人参、切り干し、油揚げを入れてざっと炒めます。
5、だし汁と切干大根の戻し汁、醤油、みりん、砂糖、酒を入れて中~中弱火で15分ほど煮込みます。
6、ちょうどいい味加減になったら出来上がり。
切り干し大根の煮物を冷凍する
沢山作り過ぎてしまった切り干し大根の煮物は、冷凍保存しておきましょう。
冷凍保存しておくと、夕食にあと1品欲しい時やお弁当のおかずにも重宝します。
冷凍保存しても味落ちの心配もありません。
①切り干し大根の煮物を常温に冷ます。
②汁けをきる。
③使いやすい分量に小分けして、サランラップやフリーザーバッグで包む。
④なるべく空気を抜き、フリーザーバッグの場合ジッパーをしっかり閉めて冷凍庫へ。
冷凍で、2週間~1か月保存できます。
解凍すると切り干し大根から水分が出てくるので、水分の少ない状態で冷凍するのがポイント。
使う時は、常温か電子レンジで解凍して下さい。
お弁当のおかずとして冷凍する場合は、お弁当用シリコンカップに入れた後、密閉容器に入れて冷凍します。
切り干し大根の煮物はどれぐらい日持する?
おふくろの味と言われる切り干し大根の煮物やひじきの煮物等は、所謂常備菜と言われ日持ちとしては、冷蔵庫で4~5日なら大丈夫です。
雑菌が入る心配があるので、たまに煮返して下さい。
濃いめの味付けなら、一週間くらいは日持ちします。
切り干し大根の煮物は美味しいですが、毎日食卓に上げると食べてくれなくなります。そんな場合は冷凍保存をしましょう。
切り干し大根の煮物のリメイク
切り干し大根の煮物、冷凍保存も良いけれど、見た目と味の変化が欲しい。
そんな場合は、リメイクしてみましょう。
●切り干し大根のおむすび
①ボウルにご飯と切り干し大根の煮物を入れて混ぜ合わせます。
②おむすびを作り、焼きのりを巻きます。朝食やランチにぴったり。
●切り干し大根の煮物の卵焼き
①軽く混ぜた卵に絞って水気を切った切干大根の煮物をいれ、お醤油をチョットプラス。
②卵焼きを焼く要領で焼いたら完成です。
●切り干し大根の煮物のキッシュ
①3mmくらいにスライスした玉ねぎをマヨネーズで炒めます。
②①に、卵、牛乳、刻んだ切り干し大根の煮物、細かくちぎったスライスチーズを加えます。
③弱火で蓋をして5から6分加熱します。
④火を止めて蓋をしたまま5分蒸らして出来上がりです。
まとめ
- 切り干し大根は、美味しくて栄養たっぷり、調理も簡単、長期保存OK、冷凍保存OK、いい事づくめです。
- 更に、大根の皮で切り干し大根自体まで簡単に作ます。
- 少量でたくさんの栄養が摂れる切り干し大根。是非おふくろの味代表の煮物でどうぞ。