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千と千尋の神隠し [DVD] 千と千尋の神隠し [DVD]

カオナシ等の登場人物の魅力と謎のラストシーン。

千と千尋の神隠しが公開されたのは、2001年7月ということですから、かれこれ15、6年前のことです。

未だにテレビで放映されると、高視聴率をとるほど多くの人に愛されている名作ですが、「意味判らん!」と解釈に悩むシーン等も沢山。

 

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それがさまざまな「謎」や「都市伝説」を生み、何年たっても、もう一度観てみようという気持ちにさせています。

そもそも映画や小説というものは、結論がわざとぼやかしてあって、観た人の解釈によって様々に想像を膨らませていく様な創りになっています。

 

人気のジブリ作品は特にその傾向が顕著ですよね。

だから、「あそこのあのシーンはどういう意味?」って人に聞いたところで、正解はないんでしょう、多分。

千と千尋の神隠しという作品は、10歳の少女千尋が、引っ越し途中に立ち入っってしまったトンネルから、神々の世界へ迷い込んで、色々な経験を経て成長していく物語です。

物語の登場人物や、異世界で千尋が体験していく事の中から作者が「伝えたいもの」を汲み取っていくのも、映画を観る楽しさでもあります。

 

千と千尋の神隠し謎*カオナシ等の登場人物について

 

千と千尋の神隠しは、千尋が事件に遭遇、通過することで、大人に近づく自己形成物語です。

千尋について

主人公の千尋の性格は、未成熟で親の庇護下にありとてもわがままです。そのわがまま娘が、色々な事件を経て、親の庇護下から親離れをし、思いやりのある少女へと変化していきます。

千尋のお母さんも昔ながらの母親像ではなく、メイクバッチリの派手な現代的な母親像として描かれています。

 

トンネルを抜けた向こう側の世界

千尋は一人ぽっちになり、生きるすべを身に着け、豚にされた親を助けます。

親が豚になったのは、人間は目の前の快楽に手を出してしまうような、誘惑に弱い生き物で、欲望は人間を変えてしまうという事でしょう。

一人ぽっちになってしまった千尋は、自ずと社会と関わって生き抜き、豚になった両親を救うという目的を持って生活していきます。

その後、たくさんの豚の中から両親がいないのを見分ける事が出来たのは、千尋が今までの生ぬるい生活から、自分自身を見つめなおし、本物を見抜く力が身に付いたのではと思います。

 

湯婆と銭婆

「あたしたち二人で一人前なのに気が合わなくて。」銭婆のセリフです。

つまり、同じ一人の人間の二面性を表現しているのでしょう。

守銭奴のような銭婆は大人の負の部分、親切な湯婆は正の側面、湯婆と銭婆が双子なのは、一人の人間が正と負の両面を持っているということです。

 

カオナシ

カオナシが怪物となって暴れるシーン等からも解るように、人間の持つ本質である怪物性、さみしさ、キれるといった現代日本人、特に若者を表現したもののようです。

他人と関わりたいのに、モノで釣って関心をかうことしかできない現代人。怪物性を失うと、弱くて途方に暮れて、自分が何者かもよくわからない、無個性人間の象徴なのです。

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御腐れ様

御腐れ様は河の神で、人間に汚された自然の象徴です。

美しい自然を汚したのは人間なので、元に戻すのも人間の努力と協力が必要。千尋が泥だらけの自転車を引っ張り出し、周囲がそれを手伝うことで、神が本来の姿を取り戻すというお話に繋がります。

 

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千と千尋の神隠し謎*最後は?

冒頭のトンネルは、現世から異世界へ行くという典型的な表現です。

最後の別れでは、「絶対にトンネルを抜けるまで後ろを振り向かないで」と言うシーンがあります。

「後ろを振り向かないで」というのは、日本神話、ギリシャ神話、北欧神話、旧約聖書にもあるお話で、もっとも有名な神話のアルアルパターンです。全てが、約束を守らないと不幸になるという結末です。

そこでこの最後の感動シーン。多くの人が知っているラストは、トンネルから抜けだし千尋の髪留めがキラリと光り車を走らせたところで終わりでしょう。

 

この後には続きが存在する説。

 

新居の近くにある橋から川を眺めている千尋が一瞬ハッとした表情に。

この川がハクの新たな住み処であることに気付いたかのように物語が終わる。

というものですが、そういえば十数年前観た、千と千尋の神隠しのラストは、実に納得したと言うか、良かったという印象で、川を眺めて川面がキラリと光るシーンがあったような……?

一緒に観た子供に覚えてるか聞いたところ、「千尋がハクに指輪かなんか宝石を貰ってトンネルをくぐって終わった」と、これもまたあやふや。

テレビで放映されているものは、時間の関係でカットされている場面もあったりします。

十数年前、このシーンがあったのか、それとも脳が造りだしたシーンなのかは、謎。ハクが生きているか八つ裂きにされて魂になってしまったのかも、わかりません。

 

まとめ

ジブリ作品は1つの作品を何回も観ている筈なのに、最後がどうもあやふやでしっかり思い出せない作品が多いです。謎も多くどう捉えるかは、観る人次第。

こういうところが都市伝説と言われる所以で、作品の意図するところなのでしょうか。

 

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