毎年多くの方が熱中症によって、命を落としています。昔は熱中症といえば屋外で倒れるというイメージが強かったですね。
熱中症での死亡例の内、9割もの人は室内で亡くなっています。さらに4割の方は午後5時~午前5時の夜間、ということは睡眠中に亡くなっていることを知っていますか?
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睡眠時に起こる熱中症を予防する
室内の環境状況によっては、「部屋の中だから熱中症にはならない」という考えは危険です。
室内や睡眠時に起こる熱中症を予防するためには、適切な暑さ対策をする事が大切になります。
炎天下に駐車された車の中で、子供が亡くなるという悲しい事故がありますが、車ではなく室内であっても状況によっては、屋外よりも気温が高くなる事があるのです。
さらに近年では、高齢者の熱中症も増加し、症例のうち5割以上は室内で起こっています。
真夏でもエアコンを点けずに我慢する、エアコンを点けて寝ると体に良くない、という考えは間違いです。ましてや、電気代がもったいないと考えて死んでしまうのは傷ましいことです。
熱中症は、活動してない睡眠時にも襲ってくるので注意しましょう。
睡眠時に熱中症が起こるわけ
睡眠時に熱中症が起こるのは、寝汗をかくことによって体内の水分とミネラルが多量に失われ、体が脱水状態になることが原因です。
私たちは睡眠中約7時間の間に、300~500mlの汗をかくと言われますが、その間は水分を摂取しない状態です。
室温が高く、湿度が70%以上ある場合には、さらに多量の汗をかくことになります。
加えて、寝具やパジャマの吸水性、通気性が悪いと熱がこもり危険度はUP。
目覚めた時に微熱、頭痛、倦怠感、めまい、吐き気、食欲不振などの症状がある場合は、睡眠時の熱中症かも知れません。
ぜひ睡眠環境を見直しましょう。
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睡眠時の熱中症予防
睡眠時の脱水状態のリスクとして、大きいのは3つ。
- 夜間熱中症の発症を高める
- 睡眠の質が悪くなる
- 脳梗塞や心筋梗塞の原因になる
睡眠中の熱中症は、睡眠環境を見直すだけで予防できます。
1 就寝前にコップ1杯の水を飲む
寝る前にコップ1杯の水を飲む習慣をつけましょう。
また、夜中に目が覚めたときや起床時に直ぐに水分補給ができるように、枕元に水を置いておくのも良いです。
ただ、就寝時間直前の寝酒はNG。ビールは水分補給にはなりません。
アルコールには利尿作用があるので、かえって体から水分を奪ってしまい危険です。
2 エアコンを活用する
「室温27℃以下、湿度50~60%」が人が快適に眠れる環境と言われます。
蒸し暑い夏場は、我慢せずにエアコンを入れることはとても重要。エアコンで寝室を快適な温度にして、タイマーをつけて寝るのが理想的です。
寝る前にエアコンを切ると、夜中に室内温度や湿度が上がってしまうので、タイマー設定を活用しましょう。
また、設定温度を少し高めの27~28℃に設定してつけたままにしておくと、点けたり消したりを繰り返すよりも、電気代も安くなり、快適な自動運転をしてくれます。
エアコンを活用して、寝室の室温と湿度を快適な環境にしましょう。ただ、設定温度が低いエアコンをつけっぱなしで寝ると、身体が冷えすぎてしまい逆効果になる場合もあります。
3 寝具とパジャマ
- パジャマについて
吸水性が低かったり窮屈なパジャマは、上手く放熱できず体内に熱がこもってしまいます。
吸汗・速乾に優れた素材や、通気性がよいパジャマを選びましょう。 - 寝具について
全身を覆うように布団をかけて寝ると、体に熱がこもって危険です。睡眠中は手足から熱を放出し体温を下げているので、暑い夜はお腹にだけ布団をかけるのがおすすめ。
夏の代表的な掛け布団は、ガーゼ素材、タオルケット、肌布団。ガーゼの良いポイントは、通気性が良いところ。
タオルケットの良いポイントは、吸水性。
肌布団の良いポイントは、体から離れやすいので、体の周りにこもった熱を入れ替えてくれるところです。敷き布団は、身体と布団の接地面を少なくすることがポイントですが、敷き布団を変えるのは難しい。
そんな場合は、綿のシーツに変えるだけで暑さが軽減します
まとめ
エアコンが苦手という年配の方もいらっしゃるでしょうが、熱帯夜が続くと命取りになります。風通しをよくしたり、エアコンを活用し、睡眠環境を整えましょう。
夜間熱中症の対策としては、水分とミネラルの摂取も重要。ミネラルは、人間の体内では生産できませんので、食べ物や飲み物から摂らないといけません。
熱中症を発症するのは、その日の水分不足、ミネラル不足からではなく、数日前からの不足が原因になります。熱中症予防のためには、日頃から水分とミネラルをたっぷり補給しましょう。
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