格安航空(LCC)の利用を検討してる人はLCCの欠航リスクと利用規約を知って利用すること。それがこの記事の結論ですが、その結論に至った経験を紹介します。
LCCの最大のリスクとは予定していた飛行便の欠航や遅延です。LCCのリスクについて知らずに利用した私が体験した欠航リスク。
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LCCの欠航体験のあらまし
2018年4月3日~6日。仕事の関係でSpring Japan(春秋航空)を利用して広島、東京間往復することに。
Spring Japan(春秋航空)は広島で乗れる唯一の格安航空で、主に中国の格安航空会社春秋航空が出資している会社です。
広島⇔東京は1日1便(最近まで2便あったのですが1便に減少)
- 往路:2018年4月3日(火)広島 19:25発 到着:成田 20:55
- 復路:2018年4月5日(木)成田 17:05発 到着:広島 18:45
復路のLCCの欠航
東京への往路は1時間遅延。広島への復路は気象条件の問題がないのに、フライト時間が来ても「整備・点検中」が長く続き、まず3時間ほど待たされました。
待ちくたびれた頃、代替の飛行機が用意されやっと帰れるとホッとしたのも束の間、直後にフライト中止に。他のLCCが次々と飛び立つ中、なぜか「春秋航空」だけがフライト中止。
中止になった説明を要求しましたが答えは全く返らず、「これからの事は自分の責任で行ってください」と成田空港に放り出された格好になりました。
成田空港のフードコートで一晩明かし、次の日の仕事はやむを得ず欠勤としました。
結論:今回のLCCの欠航で見えたリスク対策の重要ポイント
- LCCの遅延・欠航のリスクは高い事を知る。
- 時間の規制のある仕事などには使わないこと。
- 遅延・欠航が起きた時に補償される条件を知って交渉すること。
LCCの運用規約が明文化されているので読んで理解しておきましょう。そうすることでLCCのフライトに問題が起きたときに利用者側として適切に行動ができます。
格安航空の遅延・欠航の実態
国土交通省(特定本邦航空運送事業者(※)に関する航空輸送サービスに係る情報公開(平成29年7~9月)のポイント)より引用
http://www.mlit.go.jp/common/001217660.pdf
春秋航空の遅延率・欠航率は高く、特に欠航率は飛び抜けて高く4.5%近い事がわかります。
100回のフライト中5回近く欠航。その原因は機材操りが殆どです。機材操りとは一台の飛行機で複数の便を運行することです。
一台の飛行機で複数のフライトを運用すれば、どこかで少し遅れが出れば全てに影響を及ぼしあい遅延・欠航になりやすい。
批判の声は上がってもフライト中止の理由の説明は無く・・・
バスは空港に戻り、これから乗客がしなくてはならない事に対して説明がありました。
- 今夜の宿泊や交通機関利用の移動は全てお客様ご自身で行ってください。
- 今日のフライトのチケットをネットから申し込まれた方のキャンセルはネットから行ってください。(成田空港ではできない。)
- 明日の同時刻への変更はこれから窓口で行って下さい。
「ここまで待たせて、乗客が原因でもないのにフライト中止になって、もう新幹線も無い。明日の仕事にも出られない。それなのに、欠航した航空会社は何の対応もしてくれないとは何だ!・・」とあちこちから不満の声があがります。
スタッフは黙々と頭を下げながら作業をこなし、女性スタッフはひたすら済みませんと謝り続けます。
私も、せめてフライトが中止になった原因について説明ぐらいして欲しいと伝えましたが、責任者はただ無言で頭を下げるのみ。補償するケースではないのなら利用規約に沿って説明すればよいのに。
窓口にはチケットのキャンセルをしたり明日のフライトに切り替える人たちがずっと並びました。手続きをする窓口はたった一つのため1列に長く続く人たち。
顔は疲れ切り、窓口に来て「こんなに乗客がいるのに、なんで一人で対応してるんだ!? 人を増やしなさい!」と抗議する人。
そのうちもう一一人、女性スタッフが加わり、沢山いた乗客たちもそ徐々に姿を消していきました。おそらくどこかのホテルに自費で宿泊したんでしょう。
「欠航しましたから後は利用者の責任で交通・宿泊してください。」という春秋航空側の言い分は正しいのかどうかを、これからのLCCの利用のためにも調べてみましょう。
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Spring Japan(春秋航空)利用規約
さて、今回春秋航空の欠航トラブルへの対応に立腹はしましたが、どのような利用規約になっているのか調べてみました。
遅延や欠航の取り消し後、春秋航空または地上スタッフ代理人が以下の条件でお食事・宿泊を提供しております。
- メンテナンス、フライト調整、クルーなどの航空会社自社の原因での欠航や遅延になった際は、春秋航空は地上でお客様にお食事と宿泊を無料提供いたします。
- 天候、突発事件、航空管制、セキュリティー検査及びお客様自身の原因等、非運送人の原因で欠航や遅延となった場合、春秋航空はお食事と宿泊に関する手続きのご協力はいたしますが、費用はお客様のご負担となります。
- 国内フライトの場合、経由地で遅延またはキャンセルになった際は、原因問わず春秋航空は経由地でお食事と宿泊の提供をいたします。
- 国内線フライトにおいて代替空港着陸が発生した場合、原因問わず春秋航空はお客様にお食事と宿泊の提供をいたします。
当社の原因でフライトのキャンセル或は遅延が5時間以上になる場合、非団体名義のお客様は無料で当社後続便(空席がある場合)に変更できます。また、払戻を選択することも可能です。
払戻を選択する際は、出発空港では全額、乗り継ぎ空港では未使用区間の代金を返金いたします。但し支払い済みの金額を上回らないものとします。払戻手数料は一切いただきません。代金は30日以内に返金いたします。
原因問わずフライトの欠航・遅延での春秋航空からは上記以外のサービスは致しかねますので予め御了承ください。
引用)春秋航空利用規約 http://oldjp.ch.com/static/internationaltermsconditions#a3
ピーチ航空は航空会社側に責任があっても宿泊費、交通費の補償はない。
遅延が最も多いピーチ航空についても少し調べました。ピーチ航空は航空会社側の責任で欠航したとしても「宿泊費・交通費の補償無し」と、もっと厳しい規約となっています。
他社便への振替や代替交通手段の補償、並びに遅延、欠航に伴い発生した(する)宿泊費、交通費などの補償もございませんのでご了承ください。
代替の飛行機の前まで行きながらフライト中止になった原因がわからない
フライト中止が伝えられた時、今回のフライトの欠航は「航空管制」に絡んだものではないかと思いました。しかし、実際にはLCCだからといって航空管制官がフライトを後回しにするようなことは無いといいます。
もう一度春秋航空利用規約に戻ります。
- 天候、突発事件、航空管制、セキュリティー検査及びお客様自身の原因等、非運送人の原因で欠航や遅延となった場合、春秋航空はお食事と宿泊に関する手続きのご協力はいたしますが、費用はお客様のご負担となります。
「航空管制」の問題でなかったとしたら、天候は良いし、突発事件は起こっていないし、セキュリティー検査の問題はなく乗客は搭乗を待ち続けていました。「費用はお客様のご負担」には該当しないのではないでしょうか。
今回の欠航の原因についての説明が全く無いため、規約にいくら「春秋航空が原因の欠航は地上でお客様にお食事と宿泊を無料提供」とあっても乗客側には今回の対応が正しいか間違っているのかの判断はできません。
欠航の原因の説明を求めても、押し黙っているのでは、春秋航空利用規約が明文化されている意味がありません。原因が春秋航空側にないのなら、例えば「航空管制がフライトを許可しなかった」などと説明すべきでした。
乗客は航空会社の利用規約に基づいて、フライト欠航の理由の説明を求めて当然です。求めなくても説明責任はあったんだろうと思います。
まとめ
- LCCは航空会社にもよるが、遅延・欠航のリスクがある。
- 利用するLCCの利用規約を読んでおき、対応に不審な点があれば説明を求める。
- 仕事や時間を守る必要のある場合はLCCは使わない。
この記事で伝えたかったのはここまでです。これから先の記事は、フライトの中止に至るまでのもう少し具体的な様子とフードコートに宿泊した様子を書いています。興味がある方は読んでみてください。
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格安航空のフライトの延期から中止まで
17:05発広島行きのSpring Japan (春秋航空)の広島便は、18時になっても、19時になっても飛行機の整備中ままでいつまでも整備が終わりません。違う格安航空機は次々と飛び立っていくのにです。
搭乗口の辺りにいるスタッフのヒソヒソ話を横目に見ながら流石に2時間遅れともなると、乗客にその都度丁寧に説明ぐらいしろよという気持ちになります。
飛行場を眺めながら飛び立つ準備を始めた飛行機に、次こそはと期待していました。
20時頃になりようやく代わりの飛行機が用意できたとアナウンスがあり、ホットした皆の顔。中でも5歳ぐらいのバイオリンを持った小さな女の子のお母さんの安堵した表情が印象的でした。
広島から東京までレッスンに来たんでしょう。幼い子を連れて日が暮れていく空港で待たされ続けた母親だけでなく、待っていた乗客全員ホッとした顔で、用意された空港内バスに乗り、遠く離れた飛行機のところまで移動。
バスは成田空港を10分ほどでしょうか、かなりの距離移動してやっと目の前に飛行機が現れたときには、やっと帰れると疲れも吹っ飛びました。
ところが、飛行機をすぐ前にして、乗客全員バスに載せられたまま5分ほど待たされたまま。
そこに突然、「本日のフライトは中止になりました。申し訳ありません」と、春秋航空の日本人女性スタッフが済まなそうに緊張した声で告げました。
バスの中の乗客は一斉にどよめき、何故だという声、不満の声があちこちから上がりました。しかし、ただひたすら謝り続ける女性スタッフ。
ここから先はこれまで書いた通りです。
空港内のフードコートに宿泊
お金があまりなくてホテルに宿泊もできなかった私は、春秋航空の女性スタッフから「フードコート」なら一晩中いても大丈夫と聞き、フードコートで夜を明かし明日の同じ時間の飛行機に乗ることにしました。
フードコートのソファで外国人も日本人も20~30人が過ごしていました。
フードコートの柱の電源コンセントで充電をする。
フードコートのソファは人が横になれる広さがあるので、多くの外人や日本人が横になっていました。
外国人が多いからという訳ではありませんが、フードコートに泊まるとき、安全が気になるのです。この点は警察官が時々巡回しており、若い女性でも安心して一晩過ごせるでしょう。
実際に一人でテーブルやソファで過ごしていた若い女性が数人みられました。
次の日のフライトは同時刻17:05。
1時間前には昨日飛べなかった乗客が三々五々集まりました。
ですがまた2時間ほど遅れました。
どれだけ迷惑かけるのか!とストレスがかなり溜まってきました。が、2時間遅れで出発してくれた時は、心底ホッとしました。
広島空港では、私の乗った飛行機で東京に向かう人たちが、2時間待たされていました。
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